2006年06月30日

二人用着ぐるみのリアリティあるシチュエーション

 Kenさんの「BLOG STATION」で取り上げられていた「着ぐるみ妄想」という記事に触発されて、二人型着ぐるみについてあれやこれやと考えてみる3回目です。

・1回目「二人用着ぐるみの試案
・2回目「二人用着ぐるみの体位

 前回、前々回と、どうも歯切れの悪いことばかり書いてしまっているのですが、私がどうしても引っかかってしまうのは、リアリティとどう折り合いをつけるのかという点です。Kenさんは直接書いているわけではありませんが、例の文章などから想像するに、実際の特撮番組の撮影で行われてもおかしくない状況を想定しているように思われます。また、妄想するにしてもある程度のリアリティはないとつまらないという私自身の想いもあります。

 発想の原点はフェティシズムなのですから、そこに対するこだわりを捨てることは本末転倒です。しかし、プレイのための着ぐるみではなく、『子供向け特撮番組を制作するということを遂行する上で結果的にフェティッシュな行為に及ぶ』ところが良いのだと(少なくとも私は)思っていますので、あくまでも現実的にあり得る、最低限のラインだけは確保したいところです。

 そこで今回は、なるべく無理の無い形、あるいは無理を最小限度に抑える形での、二人用着ぐるみのあり方というものを考えてみたいと思います。



 ちょっと現実の例を見てみましょう。
 実際に存在した二人用着ぐるみには、Kenさんが挙げられたドドンゴにぺスター、あとはウルトラマンAに登場したブロッケンとか、ガメラ2に登場したレギオンとか、不勉強にして全てを列挙することはできませんがいくつか存在しています。
 それらに共通した特徴として、とにかく大きいという点が挙げられます。そもそも、二人の人間が入るわけですから、一人用と比較して身体のサイズが大きくなるのは当然です。さらに、基本的に手足の数も多くなります。一人用着ぐるみでは実現の難しかった、複雑なデザイン、複雑な動作を実現することができるわけです。

 ところがKenさんの妄想では中に入る二人が密着しています。これではスケール感を出すことができません。少なくとも下半身は同一のパーツの中に押し込められてしまいますし、それでは一人用着ぐるみと大して変わらないシルエットにしかならないのです。
 手の数は増やせるでしょう。しかし出来上がるのは、動きの妙にとろい4本腕の怪獣でしかないのです。これでは二人入れる意味があまりありません。そのことはKenさんが妄想したタイプの二人用着ぐるみが、そもそも現実に存在していない点からも明らかです。

 では、Kenさんの妄想は絵空事でしかないのでしょうか。
 今までは、着ぐるみに二人入るメリットがないから実現されなかったわけです。それは逆に言えば、メリットさえ見つけることができたならば実現してもおかしくないということになるわけです。
 「まあ妄想だからね」という寂しいことを言ってはそれまでですから、なんとか妄想を実現するために知恵を絞ってみたいと思います。



・かわいいマスコット的キャラクターである

 たとえばウルトラマンに登場するピグモンのような、あるいはウルトラマンメビウスに登場するミクラスのような、強さよりはかわいらしさを強調したい怪獣だったとします。それでなおかつ、どうしても四本腕のデザインにしたいのならば、着ぐるみの中に二人のスーツアクターを入れた上で、シルエットを小さくするために二人をぎゅうぎゅうに詰め込むことになるでしょう。

 難しいのは、かわいい系の怪獣のデザインとして、果たして四本腕のものが出来上がるだろうかという点です。腕が四本あれば、一般的には異形度が高くなり、どちらかといえば怖くなることが多そうです。ただこれはあくまでもデザイン上の問題ですので、けして解決できない問題ではないと思います。

 他の問題点として、どんなにぎゅうぎゅう詰めにしたとしても、どうしても一人用着ぐるみよりは大きくなってしまうという点が挙げられます。これは共演する他の登場人物をもっと大きくすることで回避できますが、着ぐるみならともかく、人間と並んだ場合にはその大きさでかわいさを損なってしまう可能性があります。その問題は、ピグモンのように人間大の怪獣として登場するのではなく、より大きな怪獣と共演してか弱い存在として演出すればよいでしょう。



・動く必要が無い

 密着度の高い二人用着ぐるみの場合、その動きにくさがネックとなってきます。それを回避するために、敵の基地でふんぞり返っていて、そもそもほとんど動く必要の無いボスクラスのキャラクターにしてしまうという方法が考えられます。
 普段は椅子に腰掛けて命令だけしていて、男顔と女顔で掛け合い漫才なんかしたりしているわけですが、それでも最期のときには自ら剣を取って主人公と死闘を演じた末、二人で言葉を交わしながら美しく散っていくのです。

 実はこのケース、うっかりしていたのですが、ちゃんと前例がありました。それも二人ではなく、もっと多くの人が着ぐるみの中に入っているのです。それは仮面ライダーアマゾンに登場する、十面鬼ゴルゴスです。十面鬼はバゴーの弟子・ゴルゴスが一番上に鎮座していますが、その下半身に当たる岩には9人の悪人たちの顔がはめ込まれています。岩の中には顔を演じているナイスミドルたちがひしめき合っているわけで、その様子を想像するのはちと怖いのですが、演者が女性だと想像するといい感じです。
 あ、十面鬼娘、今度描こうかな。

 大物・十面鬼を思い出したので書くのが遅くなってしまったのですが、そもそもこのシチュエーションを想起したのは、地球戦隊ファイブマンに登場する銀河皇帝メドーさまがきっかけでした。メドーさまは壁から顔だけ出しているというキャラクターです。リアルタイムで観ていたときには、演じている女優さん(松井千佳さんという方ですけど)は、顔だけ出しながらあの裏で一体どう思っているのだろうかと、いらんことを想像していました。顔にはばっちり白塗りにシルバーラインのメイクが施されていましたが、壁の向こうではジーンズにTシャツとかだったりしたのかなぁ。それはそれで、いろいろと……。



・設定上、二人でなくてはいけない

 アイゼンボーグとか、あるいはウルトラマンAのように、二人の男女が合体して変身するような設定にしてしまいます。もちろん、二人で合体するからといって着ぐるみが二人用のものになる必然性はありませんが、要はそのようにデザインしてしまえばいいのです。男女それぞれが単体で怪獣に変身して、その後改めて合体するとした方が創作しやすいかもしれません。

 他にも手はあります。スーパー戦隊シリーズでは最終回に、変身前を演じている役者がスーツを着て、マスクオフして素顔を晒すということが伝統になっています。それと同じように、男女二人が合体するという設定のキャラクターを作り、「最終回に顔出ししなくてはいけないから」という理由から、二人が入ってともに顔を出せるようなデザインの着ぐるみにしてしまうのです。
 普段は専門のスーツアクターに一人で操演させておいて、「キャラ的にすることはないだろう」と油断していた役者に対して、最終回の撮影時に急に着ぐるみに入るよう告げるというのも面白そうです。
「そんな、だって二人も入るなんて無理でしょう?」
「いや、実はこのスペースにはマネキンが入れてあってね。こいつを取り出せば……」
 とか言ったりして。

 あるいは、人間を吸収する能力を持つ怪人(この場合は怪獣よりも怪人のほうがふさわしいでしょう)というのも考えられます。その怪人は女の子を吸収して、その子の能力を利用したり、人質のように扱ったりするわけです。
 怪人の腹に吸収され、助けを求める女の子。あ、これ、かなりツボかも。



 つらつらと書いてきましたが、どうにかこうにか、ある程度の具体性をもったシチュエーションを作ることができました。おかげで割とイメージが固まってきた感じです。リアリティを追求していくとまだまだ粗はたくさんあるでしょうが、妄想とリアリティのバランスを考えればこの辺りがいいところかとも思います。

 起承転結のある物語は無理ですけど、普段私が書いている程度のワンシーンだけ切り取ったような話ならば、どうにかこうにか書けるかもしれません。次回は、今回提示した3つのシチュエーションを使った、具体的なキャラクターの創作にかかれればと思います。ちょっと時間がかかるかもしれませんが。
タグ:着ぐるみ
posted by 三月うなぎ at 01:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 着ぐるみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Kenさんの「BLOG STATION」で取り上げられていた「着ぐるみ妄想」からこちらのページにやってきました。
「二人用着ぐるみの体位」では想像も付かなかった体位に驚きつつも楽しませて頂きました。
ところで、ドドンゴでも普通の馬などの着ぐるみでもいいのですが、2人で着ている中身ってどうなってるんでしょう?
中は完全に独立しているわけじゃないですよね?
後ろの人の体勢ってきつそうですよね。
それから、中身の性別による違い。
前が男性で後ろが女性だったら。その逆は?
そして、、、などなど想像だけで着ることはありません。
「三月うなぎ」さんの考える2人用の基本形(?)とも言える馬などのタイプについて絵入りでコメント頂ければ幸いです。
Posted by 馬の着ぐるみ at 2006年08月06日 22:13
馬の着ぐるみさん、コメントありがとうございます。
今ちょっとウルトラマン第12話「ミイラの叫び」を確認してみたのですが、少なくともドドンゴは後ろの人が前の人の腰に手を当てて上体を支えているように見えます。あまつさえウルトラマンがドドンゴに馬乗りになるシーンもありますし、後ろの人は相当きつそうですね。
絵入りでというのはすぐには難しいですが、馬などの現実に存在する四足獣を行うなら、2人では行わずに、腕に装具を装着して長さを稼いで両手両足で四足にするというのが現実的かもしれません。2人入れたいとしても、ウルトラマンAのブロッケンのような形ならおそらくそれほど苦労は無いと思います。結局何を目的とした着ぐるみかということ次第ではないでしょうか。
辛い・苦しいということをあえて望むのならば、大変な姿勢はいくらでも思いつきますから、がんばって操演してもらいましょう。
Posted by 三月うなぎ at 2006年08月07日 02:11
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