女は、損だ。
小さい頃から私は、トップアスリートになるという夢を持っていた。それも、どうせやるのならば、女子の世界だけではなく、男子の世界も含めてのトップを目指していたのだ。
体格的なハンディをある程度技術でカバーできる競技として、私は球技、さらにはバスケットボールの道を選択した。周囲からどう見られていたのかはあまり気にしたことはないが、それでも私は努力を重ね、中学生の頃までは全国大会に出場するくらいのレベルを維持することはできた。
しかし世の中には、努力だけではどうにもならない事柄もある。男子と伍するためには、私の身体はか細すぎたのだ。
高校に進学してからも、私は男子に混じってプレーを続けた。だが、ある練習試合において、大柄な相手選手と接触した私は派手に弾き飛ばされ、頭を打って脳震盪を起こしてしまった。試合にはそれ以上参加できなくなったものの、それ自体は大した怪我ではなかった。
だがその事故以来、監督は私を試合に出場させることを避けるようになってしまった。私がどんなに直訴しても、練習に参加することは認めるが、試合にはけして出さないと断言された。そして、女子バスケ部に行くことを、言外に匂わされた。
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posted by 三月うなぎ at 02:05|
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怪人
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