「姫よ。古の姫よ。永き眠りより目覚めたまえ」
「ん……。何? もう朝?」
「おお、儀式は成功だ!」
「あー、あちこち痒いー。あれ? 包帯でぐるぐる巻き? なんで? なんでこんなに肌がカサカサしてるのよ! 信じらんない!」
「Akharis姫よ。我らに力をお貸しください」
「何、あんたら」
「我らはコブラ教団。我らが、姫様の御身体を現代に復活させたのでございます」
「要するに、あたしが今こうしているのは、あんたらの仕業ってわけ?」
「左様でございます。偉大なる姫よ。我ら、古の時代に世界を恐怖で支配したという姫様の御威光を崇拝する者どもに御座います。今一度我らの手で、世界を……」
「あー、そんなことよりさ。あたしの肌がボロボロなんだけど。これ、なんとかしてくれない?」
「それは……。姫様の御身体は遥か昔に一度朽ち果てております故、以前の御姿を完全に再現することは困難かと……」
「できない、って言うの?」
「は。申し訳ありません」
「そう。じゃ、あんたたちに用はないわ。とっとと消えなさい」
「うわぁー」
コブラ教団の野望は潰えた。そしてAkharis姫の、美貌を取り戻す冒険の旅が始まったのだった。
(つづかない)
続きを読む
posted by 三月うなぎ at 00:14|
Comment(1)
|
TrackBack(0)
|
妖怪
|

|